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Guicho Zurdo:千年帝国の野望~「Hearts of Iron・Ⅱ」のリプレイ(その6) 

経過はコチラにて。

※同時進行の戦線が複数ありますので、時間軸が多少前後する場合があります。


Guicho Zurdoドクトリン~1940年12月6日-1941年6月6日

日付に対する己が迷信深さを理由に、春まで待てという黒猫ポンセの正論を闇に葬り、無謀とも言える冬季大攻勢を命じたぎ印ドイツ帝国総統Guicho Zurdo。その願いはクリスマスまでにモスクワを落とし、お正月までにレニングラードを陥落させ、節分までにスターリングラードを確保し、ひな祭りまでにバクーの占領せよというものであった。しかし、ロシアの冬将軍と赤軍の抵抗はGuicho Zurdoが考えていたほど甘っちょろいものではなかった。雪に足を取られ、敵に足を止められ、各軍の前進は牛歩の如く遅々としたものであり、隣のプロヴィンスに移動するだけで1ヶ月以上も費やすという始末であった。さらに備蓄量を度外視した攻勢による物資消耗も甚大であった。
それでもなおぎ印ドイツ帝国が局地戦で勝利し続けているのは、ひとえにロンメル、モーデル、グーデリアン、マンシュタイン、ハウサーといった、きら星の将官たちの戦闘能力にほかならなかった。彼らは無茶な命令に抗することもなく、極寒の前線でひたすら戦い続けたのである。
結局、総統閣下の願いは何ひとつとして叶わず、モスクワが陥落したのは翌年の2月6日、レニングラードの崩壊は春を迎えた4月6日だった。こうなるともはやスターリングラードの陥落は子どもの日よりもずっと先になろうことは間違いなく、バクー陥落に至ってはいったいいつのことになるのやら皆目見えぬ状況に陥っていた。
それでも図々しいGuicho Zurdoは一向に反省の色を見せず、うつむく将軍たちを前にこう言ってはばからなかった。この前倒しの攻勢があったからこそ史実を覆し、かくも早い時期に要所陥落を成し得たのである、あえて日付にこだわったのは諸君らに対する叱咤激励および戦意高揚であり、したがって陥落予定日の遅滞もすべて想定内の事象である、要するにわしは天才戦略家なのである、と。そして彼は渋面の黒猫ポンセに向かってこうのたまうのである。
「これが『政治力』というものじゃ。わしのトロピコでの屈辱は今に贖われるのじゃ」
ポンセはGuicho Zurdoの言う“政治力”とやらは、すなわち手漕ぎボートへの道であると、密かに心の中でつぶやくのであった。

節分前に落とすはずだったスターリングラードは、6月6日にようやく陥落した。


Hungarian Raphsody~1941年4月20日-5月20日

相も変わらず全軍を首都ブタベストに集結させたまま、まるで動く素振りも見せぬミクロシュ・ホルティとその軍に対し、Guicho Zurdoは業を煮やしていた。見かねたポンセは、かつて関が原の戦いにおいて、動かぬ小早川秀秋にキレた徳川家康がその陣に鉛弾をブチ込みようやく重い腰を上げさせたという歴史に倣い、いっそのことハンガリーに攻め込んではどうかと恭しく進言した。さすがにGuicho Zurdoもその案は受け容れ難しと否定した。同盟国への発砲で大事なルーマニア様の叛意を招くわけには逝かないのである。それ以前にシステム的にその行為が叶わない。とはいえ、このままハンガリー人どもの怠惰を見過ごすわけにも逝かなかった。
その気になれば、この引き篭もり軍団を動かすのは容易ではあった。要はぎ印ドイツ帝国がハンガリー軍の統帥権を獲得しさえすればいいのである。そうすれば彼らを思いの場所へ動かし、好きな命令を下すことができる。それでもGuicho Zurdoがそうしないのは、ただ動かす駒が増えてめんどくせえ、という単純明快な理由からだった。広大な東部戦線の指揮に勤しむ中、よその国の軍隊まで動かすのはさすがに億劫なのである。
しかし、Guicho Zurdoは妙案を思いついた。

「奴らを島送りにするのじゃ」
ポンセは怪訝な顔で問い返した。
「島送り、と言いますと?」
「ハンガリー人どもをアイルランドやらグリーンランドに送るのじゃ。ああいう場所でパルチザンに蜂起されると厄介でな、いちいち戦線から軍を切り離して鎮圧に向かわせにゃならん。アイスランドも独立させたはいいが無防備に過ぎる。いつまたイギリス人どもが奪いにくるかわかったもんではない。そこでだ、奴らハンガリー人どもを防人としてかの地に常駐させるのだよ。KZの看守の任をウクライナ兵やラトビア兵に担わせたのと同じようなアレだな」
「なるほど、悪くはない案です。さっそくホルティに軍統帥権の委譲を打診します」
「島送りが終わったらさっさと統帥権は返してやる。だがその頃にはもう手遅れじゃ。ホルティの兵どもは遠く手の及ばぬ離れ島。奴らは船を持たんからどうにも手が打てんという寸法じゃ。うわっはっはっは」
こうしてハンガリーの軍統帥権を獲得したGuicho Zurdoは、4月20日、わずかな戦車隊や守備隊を除いたハンガリーの陸戦全軍を首都ブタベストから追い立て、ロストクへと向かわせたのであった。
翌月4日、わけのわからぬままロストクに到達したハンガリー軍勢は、そのまま有無を言わさず輸送船団に詰め込まれ、アイルランド、ノルウェー、グリーンランド、アイスランド、マジョルカといった、総統閣下の言うところの「僻地群」へと送られた。海軍のない内陸国ハンガリーに彼らを本土に引き戻す術はなく、それは片道切符に等しい旅路となったのである。

再びミクロシュ・ホルティの手に采配権が戻された時、ブタベストに残っていたハンガリー陸軍は、ふたつの戦車隊と守備隊、そしてひとつの騎兵隊だけであった。


遥かなる東部戦線~1941年6月27日-9月9日

6月27日、対ソ戦開始から1年を迎え、ぎ印ドイツ軍勢が到達できたのはようやくタンボフであり、ムーロムであり、ソルタヴァラまでであった。モスクワ、スターリングラード、レニングラードの三大要所を落としはしたものの、赤軍と共産党はひたすら東方への撤退と遷都を繰り返しつつ、抵抗を続けるのであった。ロシア大陸はかくも広大であり、スターリンに降伏の意思はまるで見られない。ここにきてさしものGuicho Zurdoも、この戦いが長期戦になることを認めないわけには逝かなくなっていた。
果てしなく延びる戦線マップを見ながら、黒猫ポンセは唸った。
「むう、グルジアの筆髭親父、粘りますな」
総統閣下は恨めしげにポンセを見やった。
「奴をウラル山脈の向こう側に追っ払いさえすればわしの勝ちと言ったのはお前だよな」
「『恐るるに足りぬ』と申したのです。『勝てる』などとは一言も申しておりません」
「それは勝ちと言ったのと同じだよな」
「私をスケープゴートにする気ですか!」
「手漕ぎボートよりはマシだろ」
「手漕ぎボートの方がマシです!それよりこの先どうなさるおつもりですか。このまま延々と東へ追撃なさるので?」
「戦っている限り敗北ではない」
「ウラジオストクまで行く破目になりますよ」
「ウラジオストクだろうがサハリンだろうがどこまでも逝ってやるわい。わしは銭形警部よりも執念深いんじゃ」
「サハリンはともかく、毛ガニ村の蹂躙だけはどうかご容赦を。私の故郷です」
「毛玉村か。心しておこう」
「毛ガニ村です」
「毛ジラミ村だな。それよりバクーの陥落はまだか。いい加減石油の備蓄が危ういのだ。ルーマニア様からの支援だけではもはや足りん」

バクーのようやくの陥落を見たのは9月19日であった。ひな祭りまでに落とすはずが、実に半年以上も遅れての達成である。いずれにせよ、これで総統閣下の目下の悩みのひとつは解消することとなった。バクーは潤沢な油田を擁していたのである。

その日の午後、黒猫ポンセは灰色に塗りつぶされたバクーの先を肉球で指し、総統閣下に尋ねた。
「ふむ。次はペルシャ(現・イラン)攻めということになりますか」
それは問うというよりは確認の意味だったのだが、ポンセの予想に反し、総統閣下は首を横に振った。
「ペルシャへの宣戦布告の根拠がない。わしは理由なき戦争は好かん。なのでバクーの連中には西へ向かってもらう。目指すはバグダッドじゃ」
なるほど、イラクというよりはクウェートの石油狙いか。それからエルサレムを抜けてスエズに向かい、後は定石通り北アフリカ攻略になるのだろう。ポンセはその旨を尋ねるが、しかし今度もまた総統は首を横に振るのだった。
「確かにそのルートで進軍させるが、そいつらは陽動じゃ。本隊は大西洋を南へ回り、南アフリカから詰める。ケープタウンから強襲上陸をかけ、南アを制圧。その後、ひたすらアフリカ大陸を北上じゃ」
「それはまた壮大な…」
「大陸を股に掛けた挟撃作戦じゃ。実はそのための軍勢は既に待機しておるのだ」

その南アフリカ侵攻軍は、ジブラルタルでじっと号令の時を待っていた。


海逝かば~1941年6月7日-9月20日

スターリングラードの陥落を見届けたGuicho Zurdoは、来たるアフリカ攻略作戦に向けて軍編成を開始した。東部戦線の主たる要所を陥落させたこれからは、東への追撃は残存赤軍の掃討作戦と見なし、戦線から多少の兵を割いてもよかろうと判断したのである。
こうして新たに編成された南アフリカ侵攻軍には、強襲上陸作戦には欠かせないぎ印海兵隊をはじめ、ヴァルター・ネーリングやフェリックス・シュタイナー、ゼップ・ディートリヒなどの豪腕が抜擢された。ゼップ親父を豪腕と見なすかについては意見の分かれるところかも知れないが、将官にして地図すらまともに読めず、服装規定を黙殺して金ピカづくめにし、敗北懲罰のカフタイトル剥奪にはそれを携帯便器に納めてベルリンに送り返し、負けてなお昇進を要求するこの男は豪腕に値するのである。
いずれにせよ、バクーの陥落によって石油問題が解決した今、機は熟したと見たGuicho Zurdoはついに南アフリカ侵攻命令を発動。ジブラルタル港から解き放たれた侵攻軍はエーリヒ・レーダー率いるぎ印ドイツ海軍の護衛の下、大西洋を南下しはじめたのである。
それからほどなくして、事件は起きた。
総統閣下が何よりも恐れていた、イギリス海軍の大艦隊と遭遇したのである。
その報を受けたGuicho Zurdoは口にしたコーヒーをモニターとキーボードに撒き散らしつつ、緊急回避命令を出そうとするが時既に遅く、イベリア大陸棚南部は大戦はじまって以来最大級の海戦の場と化した。
お願いだから輸送船団だけは沈めんでくれ、そこにはゼップ親父だの猛将シュタイナーだの余人には代え難い貴重な人材が搭乗しているのだと、モニターに泣きついて懇願する総統閣下であったが、システムは無情にも淡々と戦闘を経過させて逝くのであった。
そして、奇跡が起きた。
なんと、数・兵力ともに劣るぎ印ドイツ海軍が、イギリスの大艦隊に勝ってしまったのである。エーリヒ・レーダーが轟沈せしめた艦は以下の通りである。

戦艦:デューク・オブ・ヨーク
重巡:フロービシャー、カンバーランド、サフォーク
軽巡:カレドン、コロンボ、シーリーズ、カラドック、アキリーズ、カーディフ、カルカッタ、カリプソ
駆逐:第46駆逐隊、第7駆逐隊、第6駆逐隊、第21駆逐隊



もちろん、ぎ印ドイツ海軍もケルン、ライプツィヒの2隻の軽巡、ふたつの駆逐隊を失うこととなった。しかしそれを差し引いても大金星であり、しかも輸送船は無傷なのである。だが今は勝利の余韻に浸ってる場合ではない。当該海域のどこぞに増援がいるやも知れぬと、臆病な総統閣下は勝利してなお撤退命令を出し、軍勢をジブラルタルへ帰投させるのであった。奇跡が何度も続くわけはなく、仮に突破できたとしても、後に続くのは無防備に等しい物資運搬船団なのである。こんな危険な海域を何度も渡らせるわけには逝かなかった。

結局、何もせぬまま南アフリカ侵攻作戦は中止の憂き目となるのであった。

それにしても、とGuicho Zurdoは考えた。劣勢のわがぎ印海軍が勝利したのはなぜだろうか。海戦ドクトリンの研究もそうだが、勝因は何よりも巨大戦艦ティルピッツの存在であろう。ビスマルクだけであの戦いを凌ぐことはできなかった。総統閣下は生産画面のタブを開き、そこで第二のティルピッツともいうべき戦艦フリードリヒ・デァ・グロッセの建造が着々と進んでいることを確認し、満足するのであった。


国境の先~1941年10月1日

ロンメル、モーデル、ガイル・フォン・シュヴェッペンベルグらの南部方面軍勢は、やっとの思いで到達したバクーでしばしの休息を取っていた。その後彼らは西へと向かい、国境の山脈を越え、イラク領内へと突入する手筈となっていた。
テントを出たヴァルター“火消し屋”モーデルは、南の国境の先にあるペルシャをぼんやりと眺めた。カラチに逃れたイギリス政府を叩くならペルシャ領内の突破が手っ取り早いのだが、と彼は思った。しかし同時に、モーデルは総統閣下がペルシャと戦争を起こす気がないこともわかっていた。多少定見のなさは見受けられるものの、ぎ印の総統は大義なき戦争を嫌うお方だ。彼は邪神かも知れないが、悪魔ではないのだ。ペルシャとは友好度こそ低いが、ささやかながら石油取引もある。そして何よりも中立国家なのだ。戦争を仕掛ける根拠がない。…そうであるなら、わが軍の通行許可を取るべく早い段階でペルシャと交渉すべきだったのだ。モーデルはため息をついた。イギリス本土陥落から時間はいくらでもあったろうに…。
「『政治力』を標榜する割に、根回しに弱いのだな。…まあよい。どの途われらが目指すはバグダッドだ」
火消し屋はそう呟くと、テントへ戻るべく踵を返した。その時、視界の端に捉えた風景に違和感を覚え、彼は再び南を振り向き、その違和感の正体を探った。
モーデルはわが目を疑った。国境の先のペルシャ領内を闊歩しているのは、過日自分たちが蹴散らしたはずの赤軍であった。しかもイギリス軍の姿もある。さらにはフランス軍、ネパール軍らしき影までチラチラしている。
なんだなんだこれは。いったいどういうことだこれは!伝令!!伝令!!!

モーデル中将からの緊急連絡を受け、改めてペルシャの外交状況を確認したベルリンのぎ印情報部は絶句した。ペルシャは頻繁にぎ印ドイツ帝国と貿易を重ねる一方で、イギリスやフランス、果てはソ連にまで軍の通行許可を与えていたのだった。
総統Guicho Zurdoは激昂した。
「ペルシャを攻めい!今すぐじゃ!!今すぐにじゃ!!!」
「は。しかしイラクは…」
「東部戦線から手近な軍団を切り離して引っ張ればよい!海からの詰めはジブラルタルで燻っとる南アフリカ侵攻軍に預けい。…ええい、こうなったらもう連中を北アフリカ侵攻軍にしてスエズ運河を挟んで分散上陸じゃ!ルントシュテットの軍勢にはアレキサンドリアを獲らせい。ゼップ親父らはテルアビブじゃ。空挺にはマルタとキプロスを確保させい。これらすべての作戦を1時間以内に開始じゃ!さあ逝け!!」

1時間後、火消し屋モーデルはベルリンからの電文を受け取った。

「火消シハ無用。テヘランヲ火ノ海ニセイ」



今ここに、中東・アフリカを舞台にした新たなる戦いが勃発した。

つづく。
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