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Guicho Zurdo:千年帝国の野望~「Hearts of Iron・Ⅱ」のリプレイ(その17) 

経過はコチラ

焼け石に水なガイドブック:「千年帝国の歩き方

※半ばスパイ小説化してる件は触れるでないw


シャンペン・スパイ~黒猫暦:1940年12月25-29日

もうひとつのベルリンに来てからの最初の3日、feti虎教授の主な日課は、“観光”であった。カスタム・チューンを施したRoverの自転車を颯爽と駆り、名所を訪れ、美術館で目の保養をし、高級レストランで豪華な食事を摂り、河畔で読書を楽しんだ。この合理主義者の教授は、時局の変化がない限り、カール・ポテンテの平日は報告書に書かれていた通りの、9時までに出勤し18時までには帰宅するという官僚の見本のような生活、したがって襲撃はいつでも可能につき当座は鋭気を養うに専念すると主張したのだった。抜け目ない教授は、急いでは事を仕損じるゆえじっくりと機を伺うと、さらなる時間の引き延ばしも忘れなかった。こうしてfeti虎教授は3日間、もうひとつのベルリンを心ゆくまで堪能したのだった。
しかし4日目の朝、総統閣下は膨大な出費に血圧沸騰中、頼むからアクションをというゴルビ犬の懇願の電話があり、渋々折れたfeti虎教授はようやく重い腰を上げ行動を開始するのだった。

官公庁街にあるポテンテのアパートはすぐ見つかった。feti虎教授は一旦そこを通り過ぎると、少し進んだところで今度は反対側の通りへと移動した。そして街灯の脇に自転車を止め、チェーンを直すふりをしながら、目的の相手がアパートから出てくるのをじっと待った。
ほどなくして、アパートの入り口によく知る小さな黒猫と見知らぬ大きな軍人が現れた。feti虎は大柄な軍服の女性をちらり見た。あれが護衛か…。遠巻きにさりげなく様子を伺っていると、黒猫と護衛はアパートの前で何事か言い争いをはじめるのだった。その口論は最終的に護衛の鉄拳で幕を閉じ、やがて凹凸コンビはアパートに面した通りをfeti虎の位置とは反対方向に歩きはじめた。feti虎はチェーン修理の芝居をやめ、自転車を押しながら静かに後をつけはじめた。そこからやや先には、ずんずん歩く護衛と、その左後ろをちょこちょこ歩く黒猫の姿があった。まるで三歩下がって影踏まずじゃないか。ロデニムよ、その姿は忍びんな…。
やや歩く速度を上げ、凹凸コンビにいくらか近づいた時、ふとfeti虎は黒猫の前方を畏怖堂々と歩く護衛に目を留めた。その後ろ姿にはどこか覚えがあった。feti虎は猫から目を離し、護衛に注意を向けた。大柄な護衛はずっと背を向けたままであったが、feti虎教授は辛抱強く観察を続けた。しばらくすると一行は十字路に到着し、護衛は安全確認のために首を左右に向けた。ここでfeti虎はようやく護衛の横顔を捉えることができた。あれは…。feti虎の口元が緩んだ。誰かと思えばわくわくわっくじゃないか。なるほど、ロデニムは最強の番人を手に入れたというわけか。ふふ、相手に不足はない…。
「…と言いたいところだけど、参ったねこりゃ」
feti虎教授は足を止め、通りを渡って総統官邸へと向かう凹凸コンビを眺めやった。直接攻撃はちょっと無理ね。ここは一旦退いた方がお利口さんだ。早々に襲撃中止を決定したfeti虎は自転車を反転させると、乗馬が如く軽やかにサドルをまたぎ、何処へと走り去って行くのだった。

眼前に迫る黒い影に気づいて顔を上げた頃は時既に遅く、黒猫ポンセ、今は総統補佐官カール・ポテンテを名乗るその猫は、枠少尉の巨大な尻にゴンと鼻先をぶつけてよろめいた。
「急に止まるんじゃないこの!」
鋼鉄に等しい臀部による鼻パンチを食らい、ポテンテは涙目で抗議した。護衛の枠ことヴィルヘルミーナ・アンナ・クルマン少尉はポテンテの訴えを無言で棄却し、周囲を見渡しながら言った。
「あたしたちのこと、誰か見てたね」
ポテンテはショボ目をこすりつつキョロキョロと見回した。
「誰もいないじゃないか」
「今はね。でも誰か、見てたよ」
「事件の後だからナーバスにもなろうが、大丈夫だよ。何も起きんて」
枠少尉はそれでも納得のいかぬ様子で右へ左へと視線を走らせるが、やがて諦めると、ポテンテに促され、再び総統官邸に向かって歩きはじめるのだった。

その日の夕刻、feti虎教授は帰宅途中の凹凸コンビの背後に再び姿を現わした。しかし攻撃の意図はなく、その視線は主に護衛の動きに注がれた。作戦の成功如何はこの大柄な少尉をどう制するかにかかっていることを、賢明なる教授は悟っていたのである。
護衛は相変わらず黒猫の先、やや右前方を偉そうに歩いていた。注意深く観察していたfeti虎は、その位置関係が何を意味するのかをようやく理解した。何か異変が起きれば、護衛はすぐさま黒猫を左手で地面に引き倒し伏せさせ、右手で応戦するという形なのだ。さすが現役、考えてるな。feti虎は夕闇の中で薄く微笑んだ。つまり、狙うならわっくの手が届かない時にということか。ではいったいそれはいつなんだろう…。ま、ひとまずおいしいディナーでも食べながら考えましょうかね。feti虎教授は軽やかに自転車に乗ると、反対側の通りの凹凸コンビを追い越し、夕闇の中へと姿を消すのだった。

眼前に迫る黒い影に気づいて顔を上げた頃は時既に遅く、ポテンテは再び枠少尉の巨大な尻に鼻先をぶつけてよろめいた。
「だから急に止まるんじゃないってのこの!」
鋼鉄製の臀部を持つ枠少尉は、朝と同様にポテンテ涙目の抗議を高らかにスルーし、遠くを見ながら言った。
「今の自転車…」
ポテンテはショボ目をこすりつつ遠くに目を凝らした。
「自転車?」
「どこかで知ってるような気がする…」
「自転車なんてどれも似たようなもんだろ。行くぞほれ」
枠少尉はそれでも納得のいかぬ様子で夕闇の先へと視線を向けるが、やがて諦めると、ポテンテに促されるままに、再びアパートに向かって歩きはじめるのだった。

“最後の審判亭”、なかなか粋な料理を出すじゃないの。アレキサンダー広場の近くにある「ツァ・レツテン・インスタンツ」で豪華なひとりディナーを終えたfeti虎教授は、ルンルン鼻歌交じりにホテル・アドロンのロビーに帰ってきたのだった。
部屋の鍵を受け取りにフロントに向かった彼女は、いつもにこやかなフロント係が緊張の面持ちであることに気づいた。その目はまるで「逃げろ」とでも言いたげな様子である。とその時、横のソファーに座っていた4人の男がバラバラと立ち上がり、feti虎教授を取り囲むように立ちはだかった。男たちはソフト帽に地味な色のスーツ、あるいはコートといういでたちであったが、奇妙なことにそのいずれもが乗馬ズボンに長靴を履いていた。さしずめ私服6割、制服4割といった装いである。その姿に訝る間もなく、ひとりが右手をスッと差し出した。黒い皮手袋に覆われた掌には楕円形の銀色のプレートが握られており、そこには「GEHEIME STAATSPOLIZEI」の刻印が見て取れた。その文字の意味がfeti虎の胸に染み渡る前に、半端私服の男が言った。
「ゲシュタポ(秘密国家警察)だ。ご同行願おうか。無論、選択の余地はない」


ゲシュタポ・ミュラー~黒猫暦:1940年12月29日-30日

feti虎教授を乗せた黒塗りのメルセデスは、プリンツ・アルブレヒト街のゲシュタポ本部前で停車した。後部座席のふたりのゲシュタポと共に降り立ったfeti虎は、ここでようやく自分が手錠を掛けられたわけでなく、両脇を抱えられてるわけでもないことに気づいた。…これは逮捕ではないのか。とはいえ、ここで同行拒否の素振りを微塵でも見せようものなら、彼らは躊躇なく棍棒で殴るか、下手したら9㍉パラベラムの弾丸を首筋に撃ち込みかねない。彼らにとって暴力は些細な理由があれば充分正当化されるのだ。さらに彼女は、助手席の男がメルセデスのトランクから自分の本や自転車を運び出すのを見た。どのみちアレも取り返さなきゃならないわけだし、ここは素直に従っておくか。feti虎教授は促されるままに、恐怖の総本山の階段を昇るのだった。
ふたりのゲシュタポ捜査官に伴われて連れて来られたのは、哀れな被疑者の血や脂の染み付いたおぞましい尋問室ではなく、整理の行き届いた小奇麗な執務室であった。その奥のデスクでは、部屋の主とおぼしき黒い制服の高級将校が何かの書類に目を通している最中だった。
将校は書類から目を上げ、feti虎教授を一瞥すると軽く頷き、両脇のゲシュタポに向かってやや高めの抑揚のないトーンで言った。
「貴様たちは下がってよろしい」
ふたりの秘密警察官は長靴の踵をかちんと合わせ、部屋を去った。黒服の将校はfeti虎にデスク手前の椅子に座るよう、あごで指し示した。
feti虎は素直に腰を下ろすが、黒服は何も言わず延々と書類を読み続けていた。沈黙が部屋を支配し、時折はらりと紙をめくる音だけが流れた。沈黙で不安にさせようという魂胆か、あるいはこちらから口を開かせようとでもいうのか。…どちらにせよ乗ることはない。feti虎教授はのんびりと待つことにした。それにしてもこの男、いったい何者なのか。…ゲシュタポなんだろうけどさ。feti虎はどこかに部屋の主のヒントはないものか、書棚や壁に素早く視線を巡らせた。
その答えはすぐ近くにあった。デスクの端に積まれた決済済みの書類、その下段に記された部屋の主の署名を、教授は懸命に読み取ろうとした。ためつすがめつ眺めるうちに、崩れた文字で書かれたそのサインはようやく「H. Muller」であることがわかった。ミュラー、ミュラー、H・ミュラー、ハー、ヒー、フー、ミュラー…。feti虎教授は、かつてgoKoreaの愛すべきチョッパリ軍団どもと交わした会話の記憶を辿り、「H.Muller」に該当する人物の名を懸命に思い出そうとした。ハンス・ミュラー、フランク・ミュラー、ハインリヒ・ミュラー、ハインリヒ…、ハインリヒ・ミュラー!そうだ、ハインリヒ・ミュラーだ。…もしかして“ゲシュタポ・ミュラー”ってこいつのことか?
その時、おもむろに黒服が口を開いた。
「…feti虎教授、どこで教えられてるので?」
「ソウル大学です。文学部反日思想学科。…そのあたり、もうお調べのことではなくて?」
「確認ですよ。専門は朝鮮周辺のようですな。それがまたなぜこの国に?学術的なご用件とは思えないが」
「観光です」
「このご時勢に?」
「ええ、このご時勢に」
「しかもアドロンのプレジデンシャル・スイートにお泊まりと。大学の教授とはそんなに高給取りでしたかな」
「アフィリエイトが好調でしてね」
「話が見えないが」
「説明が面倒です。ところでミュラーさん、私が呼ばれたのはそれが理由ですか?アドロンのプレシデンシャル・スイートに泊まる教授は身分不相応につきそれだけで怪しいと」
突然名前を呼ばれたことに、ミュラーはかすかに眉を上げた。しかしすぐに表情を消すと、再び抑揚のないトーンで続けた。
「過日、総統官邸でテロ未遂事件が発生しましてね。政府高官への」
「それが私と何か関係がありまして?」
ゲシュタポ・ミュラーは意外にもあっさり認めた。
「あなたは事件には関係ないですな。犯人は兎だった」
「ではなぜ私はここに?」
ゲシュタポの長は椅子の背もたれに身を預けると、feti虎をまっすぐ見据えながら言った。
「問題のテロ未遂に遭った政府高官というのは、われわれがずっと監視下に置いている相手でね。毎日欠かさず動向を追っている。ところが今日、われわれとは別にその高官の動きとリンクしている者が確認された。…誰のことを言わんとするかはおわかりですな、教授」
(ノ∀`)アチャー、見られてたのね。
「さっぱりわかりませんね」
ゲシュタポ・ミュラーは畳み掛けるように言った。
「では今日の朝と夕方、あなたはあんな場所でいったい何を見て何をしていたのかね?まさか官公庁街を観光だなんて言うんじゃなかろうな」
こいつ、漠然とした疑いだけで何も握ってないな。そう確証したfeti虎はのらりくらりと追及をかわすことにした。
「観光ですよ。官公庁街も見る価値はあります。朝夕の都市風景、人が流れる美しさは十分観光として成り立ちますけど」
「そんなたわ言が通用すると思うかね」
「たわ言ではなく事実です。あなた方は当然私も監視下に置いたはずですよね。ではお伺いしますが、その朝夕以外の私は何をしてました?誰かとコンタクトでも?あるいは公園のベンチの下に怪しい小包でも置いてましたか?」
その問いに、ゲシュタポ長官は沈黙で答えた。ここぞとばかり、feti虎教授は攻勢に転じた。
「報告書のなぞりになりましょうが、朝の街の風景を楽しんだ後はティアガルテンでサイクリングです。それから『カンツラー・エック』でおいしいランチを頂いて、午後は植物園と動物園の二本立てツアー。夕暮れにまた官公庁街に赴いて家路に着く人の波を眺め、お夕飯は『ツァ・レツテン・インスタンツ』。いい気分でアドロンに戻ったらあなたのお下品な部下たちが待ち構えてて、有無を言わさずここへ連行。おかげで素敵なベルリン観光はパア。それが私の今日という日です。政府高官なんて知りません」
しばらくの沈黙の後、ミュラーはおもむろに話を変えた。
「自転車に乗られてるようですな。それも英国製の」
「イギリス本土はもうあなた方の手に落ちてるでしょ。問題ないはずです」
「お留守の間に、荷物を検めさせてもらった」
「不審な物でも出てきました?」
「不審な物は何も。…だが、不思議な物はありましたな。あれは何です?」
「それももう調査済みでなくて?」
「もちろん調べました」
「なら問題ないことはおわかりのはずです。お調べになられた通りの物で、お調べになられた通りの用途です」
「あんなに大量に?」
「あんなに大量にです」
「解せませんな」
「その方がお買い得なので」
「feti虎教授、あなたはこの国にいったい何をしに来られたのです?」
「観光です」
突然、ゲシュタポ・ミュラーはデスクに身を乗り出すと、feti虎に向かってぐいと顔を近づけた。高級そうなオー・デ・コロンの香りが仄かに鼻についた。能面のゲシュタポ長官は、抑えながらも凄みのあるトーンで言った。
「無理にでもしゃべってもらう方法もあるんだがね」
feti虎は動じることなく、涼しい顔で答えた。
「さぞかし実りある白状を手にできるでしょうね。拷問で意識を半ば失いながらうわ言のように『観光、観光』と。あなたの評価もまた上がる。『ゲシュタポ・ミュラー最強。“観光”容疑で外国人を逮捕』。ダッハウに着いたら皆さんによろしくお伝えします」
ミュラーの顔が心なしか紅潮したように見えた。やがて彼はfeti虎から顔をそむけると、どっかと椅子の背もたれに身を預け、黙り込むのだった。
勝利を確信したfeti虎教授は朗らかに言った。
「さて、そろそろ帰ってもよろしいかしら?」

“スフィンクス”とあだ名されるゲシュタポ長官の顔は特に変化は見られなかった。しかしその心中は必ずしも穏やかではなく、彼は今、腰を振り振りゲシュタポ本部を後にするfeti虎教授の後ろ姿を、苦々しい思いで見送っていた。必ず尻尾は掴んでやるからな…。決意も新たにゲシュタポ・ミュラーは部下の名を呼ぶのだった。
「ショコラ、モンブラン」
それを受け、背後の柱の陰からふたりのゲシュタポ捜査官がぬっと現れた。ミュラーは部下たちを一瞥すると、闇の先に消えつつあるfeti虎を見ながら言った。
「あの虎から目を離すな」
ふたりの秘密警察官は頷くと、すぐさま本部前に停めてあった黒塗りのメルセデスへ乗り込むのだった。


金のかかるスパイ~2007年5月16日(黒猫暦:1940年12月29-30日

ホテルに帰ったfeti虎教授は、恐怖の建物から無傷で生還したことに驚くフロント係から鍵を受け取り、足早に部屋へと向かった。
部屋に戻ると、feti虎は名残惜しそうに高価な調度品で飾られた部屋を眺めやった。
「ここはもう撤収しなきゃね…」
仕方あるまい。feti虎はフロントにダイヤルすると、ボーイを部屋によこすよう連絡した。
連絡を受けてやって来たあどけない顔のボーイは、山のように握らされたチップに目を輝かせ、何でも仰せのままにと言うようにfeti虎教授を見た。
feti虎はボーイに手短に依頼内容を伝えた。ボーイは瞬間躊躇いの表情を見せたものの、さらに積まれたチップの誘惑には勝てず、依頼を受けることにした。
数分後、件のボーイが紙袋を手に再びfeti虎教授の部屋に入った。さらにその数分後、廊下の安全を確かめ先に出たボーイの手招きを受け、feti虎がそっと部屋から荷物を手に現れた。そして、誘導されるままに従業員専用エレベーターへと向かった。
ボーイの手引きで無事に従業員専用口から外に抜け出したfeti虎教授は、3度目のチップをボーイにはずむと、幸運を祈る声に手を振り応えながら、闇夜の中へと姿をくらますのだった。

その30分後、ケンピンスキー・ホテルのフロント係は、目の前の客を不思議そうに見やった。ホテル・アドロン従業員の制服に身を包んだfeti虎教授は、フロント係ににこやかに微笑みかけた。
「お部屋、空いてますかしら?」

原則的に電話嫌いであるぎ印ドイツ帝国総統Guicho Zurdoの声は極めて不機嫌だった。
「どこの馬の骨だ」
feti虎教授はその失礼千万な挨拶を華麗にスルーした。
「あいにく虎の骨です閣下。おはようございます」
「…教授か。こんな時間にいったい何の用じゃ」
「危急の依頼です。自転車を1台ご用意ください。Roverでお願いします。カスタム化済みのを」
総統閣下はすぐに異変を察知した。
「何があった」
「実は今夜、こちらのゲシュタポに呼び出されました」
「しくじったのか?」
「いえ。しかし疑われてます。向こうも黒猫さんを監視してたようで。私も監視下に置かれるのは間違いないので、遺憾ながらアドロンを放棄しました」
これで高額な宿泊代を払わずに済むと思ったのか、総統閣下の声はうれしそうだった。
「それは災難だったのう。残念じゃ。実に残念じゃ。しかしそれとおニューの自転車と何の関係があるんじゃ?」
「カモフラージュが必要です。支払いもそうですが、私の自転車がアドロンに置いてあれば、連中はまだ滞在中と思うでしょう」
「…ちょっと待て。すると何か、お前はわしにもぬけの殻のホテル代を払い続けろと言うのか?」
「そういうことです。こちらのホテル代もお忘れなく」
「(゚Д゚)ハァ? お前は今どこにおるんじゃ?」
「ケンピンスキー・ホテルですが」
「…シングルだろうな?」
「プレジンデンシャル・スイートです」
電話の向こうで、偉大なる総統閣下は大爆発を起こした。
「お前はいったい何を考えとるんじゃ!!そのプレなんとかは1泊いくらすると思っとるんじゃ!しかもひとつは誰もいないホテルの宿泊代じゃ!!お前はわしの…」
feti虎教授は怒れる総統閣下を穏やかに遮った。
「ゲシュタポの盗聴の恐れがありますので今夜はこの辺で。おやすみなさい。よい夢を♪」
「悪夢じゃ!起きながらにして悪夢じゃコラ!!お前はわしのりそな銀行の口座をいったいど…」

ガチャ。

長い一日だった…。feti虎教授は偽従業員の格好もそのままに、ふかふか高級ベッドに横になると、すぐに眠りに落ちた。


翌日、ぎ印ドイツ帝国総統Guicho Zurdoは、アドロン、ケンピンスキーの両ホテルからの請求書を前に、少量ながらも失禁して果てたという。

つづく。

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コメント

刷れば。
刷れば。
刷れば。

偉大なる総統閣下は社長椅子の背もたれから身を乗り出すと、真剣な眼差しでその一文に繰り返し読み直すのだった。
やがてこのぎ印ドイツ帝国の総統は脳内議会を開催し、刷るか否かのこの悪魔の選択について、ひとり討議をはじめるのであった。

国家元首及び政府高官レベルの方で、国家予算及び銀行残高に不安を感じる方に、秘術朝鮮式資金獲得法をお教えします。


即ち。




<丶`∀´> 金ならいくらでもあるニダ♪







刷れば。



(韓国での実話)
(そう言えば北朝鮮も刷ってたな…。他国の紙幣を無断で)

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